先日のエントリ「英文の本文を組む」の続編です。2文字で分綴してしまうのは良くないと書いたのですが、はてなブップマークで「なぜ?」とのコメントが寄せられているのを見つけました。ブックマークには返答する必要はないのだとは思いますが、せっかくですからもう少し説明をしたいと思います。
2文字での分綴そのものが悪いと言うつもりはありませんでした。もしそれが普通のハイフネーションのルールだと受け取られた方がいたとしたら、そうではありません。分かりにくい書き方ですみませんでした。
上図は腕の確かなタイポグラファによる活版の本です。ひとつの段落に3ヵ所も2文字での分綴があります。
前回のエントリの趣旨は、(InDesign CS3 を使う場合)各行の濃度を均等に保つための主な手段に、ハイフネーションを使うことと、ジャスティフィケーション設定を工夫することがあって、後者を優先した方が良い結果が得られるのではないか、というものでした。
というのも、ジャスティフィケーション設定で字間などをうまく調整すると、ハイフネーションの数を少なく抑えたまま、ハイフネーションを多用した時と同じように濃度の揃ったページを組むことができると思うからです。ハイフネーションは少なくできるならそれに越したことはないですから。
上図はDTPで組まれた本です。1ページを通じてハイフネーションが一切ないのに、ちゃんと美しく仕上がっています。Robert Bringhurst, The Elements of Typographic Style, version 3.1 です。この本からは、字間やグリフ幅を調整することの重要性を学びました。
要するに、2文字での分綴を避ける理由は、2文字程度ならば字間やグリフ幅の調整によって分綴を回避できる可能性が高い、だから2文字での分綴は避けるべし、ということです。
しかしもちろん「2文字分綴絶対禁止」ではありません。たとえば段落の最初の行などでは、字間などの調整では吸収しきれないことが往々にしてあります。
これは一番最初に紹介した本と同一人物が作った本ですが、1行目末をご覧下さい。この本は、箱組よりも柔軟に調整ができるラギッドで組まれているにも関わらず、10ページに1ヵ所ぐらいの割合で、2文字で分綴している所があります。
ということで私の場合、基本的にハイフネーションは「3文字−3文字」あるいは「3文字−4文字」を許容すると設定しておき、必要に応じて手作業で2文字での分綴を加える、というふうにしています。本当は自動でもっと賢くハイフネーション/ジャスティフィケーションしてくれると良いのですが、今のところ InDesign はすべてを任せられるほど有能なわけではないようです。