外国語の組版は難しいです。何度か英文を組んできましたが、未だに満足いくものができません。だから偉そうなことをいえる立場ではないのですが、自分なりの英文本文組版法・基礎編をここに書いてみることにしました。これまでいろいろ試行錯誤してきた記録です。これから始める方々には一つの例として参考にしていただければ、先輩方にはご批判を仰げればと思います。
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上図はテキストを InDesign CS3J にただ流し込んだものです。フォントは Adobe Caslon Regular で、11/14pt です。恐らく Microsoft Word などでも同じような結果になるでしょう。(画像はクリックすると大きくなります)
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引用符を置き換えました。これは基本的に手作業です。ダッシュなどがあれば手作業で適切なものに直す必要があります。さらに「文字」のメニューから「欧文合字」をチェックしました。自動で「fi合字」などに置き換えてくれます。数字は好みでオールドスタイル数字に置き換えました。
この段階で「最低限」守るべき組版ルールはクリアしているはずです。けれども仕上がりはお話しになりません。何より語間が不均等で、間延びした感じがするのが気になります。
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上図のように左揃えなりゆき組(ラギッド組)にすれば、語間の問題はかなり解決します。しかし、両端揃え(箱組)しか許されないとしたら……。
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ひとつの策としてハイフネーションがあります。InDesign のデフォルトの設定で自動ハイフネーションをさせてみたのが上図です。5行目の「occupa-tion」が分綴されました。念のため蛇足ですが「文字−言語」のところを「英語」にしておかないと、ハイフネーションは効きませんのでご注意を。
この段階である程度見栄えは良くなってきました。しかしまだ気の抜けた印象です。もっと作り込まれた、タイトな雰囲気が欲しいのです。
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ここで鍵になるのはジャスティフィケーションの設定です。単語間を狭く、かつ間隔を均等気味にさせてみましょう。デフォルトでは 80%—100%—133% でしたが、それを 60%—70%—80% に変えてみたのが上図です。
かなり間延び感がなくなりました。しかし無理矢理押し込んだ感じも出てきてしまいました。1行目が苦しそうです。2行目と8行目のハイフネーションも感心できません。InDesign の初期設定では、2文字−3文字の分綴を許容しています。しかし2文字だけで切ってしまうのは避けるべきではないでしょうか。
やはりジャスティフィケーションは柔軟さを持たせないと本末転倒になってしまうようです。
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ジャスティフィケーションの設定をさらに追い込んでいきます。文字間を 0%—2%—4% に、グリフ幅を 98%—100%—102% としてみたのが上図です。
これで緊密さ、スペーシングのリズム感、各行の色味の統一感、いずれも許容できるレベルに達したように思います。あと残る不満は7行目が詰まり過ぎて見えることぐらいでしょうか。
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最後に手作業で仕上げです。5文字だけトラッキングの調節をしました。さらに8行目末尾のクォーテーションマークをぶら下げるという手も考えられますが、ここから先はもう職人技の域ですね。
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要するにジャスティフィケーションの設定をしっかりやれば、無理なくある程度のクオリティを確保できる、ということです。他にもちろんフォントの品質も大切です。カーニングペア情報を持たないような怪しげなフォントとかでは、美しい本文組は無理だと思います。でも、超高価なフォントがなくとも、組版の工夫で充分なレベルに達することは可能だと思います。