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2008年04月 アーカイブ

2008年04月21日

プラチナ・コレクション値上げ !?

ライノタイプの Platinum Collection は憧れのフォントです。本文を Palatino nova で組んでみた時、あまりの美しさに感激しました。それ以来、少しまとまった収入になる仕事をした時は、自分へのご褒美と言い訳して買い足していこうと心に決めていました。

最近久しぶりに買い足そうかという機会ができ、ライノタイプのウェブサイトを覗いてみました。日本の代理店ではなく本社のサイトです。あまりに内外価格差が大きかったので、申し訳ないけれど代理店はパスしてきました。

ところが。標題の通り、ものすごい値上げをしているではありませんか。たとえば Linotype Univers の場合、一年ほど前には 1,295USD で入手できたのですが、今では 1,499EUR になっています。今の為替レートでは 80% 以上値が上がった計算になります。他の Platinum Collection のフォントも、どうやら軒並み値上げしたように見受けられます。最近の円高をもってしても、もはや内外価格差はほとんどありません。

その代わりに、Value Pack と称したバラ売りダウンロード販売が始まっていました。当初は「全ウェイト一括・CD-ROMのみ・要署名」でした。だから敷居はかなり低くなったといえるでしょう。でも、ファミリー全部揃えたいという人にとっては、この新価格は痛い……。

2008年04月26日

お気に入りの Baskerville を見つける

バスカーヴィルは金属活字とデジタルフォントの違いが大きい書体です。活字といっても18世紀のオリジナル版のことは良くわからないので、20世紀の Monotype Baskerville (Series 169) のことですが。モノタイプ活字版は最高の書体の一つだと思います。なんとかその雰囲気をデジタルで再現できないでしょうか。いろいろ考えてみました。

バスカーヴィルの特徴としては「コントラストが強い」ことが良く指摘されます。しかしモノタイプ活字版は、DTPでの印刷物に慣れた今日の眼で見ると、それほどコントラストが「強い」ようには見えません。私の主観で表現すると、コントラストが「艶かしい」という感じに見えます。端正なフォルムと、絶妙なコントラストの両立。美しいですね。

Baskerville0.jpg

この写真は1958年にイギリスで印刷された本です。11ポイント活字を行間ベタで組んでいます。

横幅がやや広い。字間が狭い。にも関わらず混み合った印象にはならない。といった特徴があるように思います。単語が塊として眼に飛び込んできます。そしてしっかりとしたセリフの効果か、行の直線的な並びが強調されて見えます(この写真ではわかりにくいですが)。行の中でのアクセントになるのは腰の据わった大文字です。

Baskerville1.jpg

モノタイプの現行デジタル版は、ずいぶん印象が違います。かなり細身になっていて、バスカーヴィルの十八番、小文字の「g」なんか、へなへなです。書籍本文に使うことを前提とすれば、活字版とは全くの別物だと考えるべきでしょう。何かの縁で知らないうちに Mac にインストールされていた TrueType の Baskerville はモノタイプ製でした。

Baskerville2.jpg

世間で多く使わているのは ITC New Baskerville です。字間が広く、コントラストが一層強調されているのが特徴でしょうか。写植時代を思い起こさせる雰囲気です。これはこれで、悪くありません。でも、デジタル版だと鋭すぎる印刷結果になる場合もあります。あと、このフォントをツメツメにして長い本文を組んで、失敗している本をよく見るんですよね。

他にもバスカーヴィルのデジタル版はたくさんあります。たとえばURWのものは……見本帳を見た限りでは好きになれなそうなので省略。ライノタイプの Baskerville Classico は OpenType 化が待たれます。Fry系のものはデザインがちょっと違うのでここでは対象外。

Baskerville3.jpg

そんななかで一番気に入ったのは、Berthold の Baskerville Book です。あの Mrs Eaves と双璧とも言えるぐらい、肉感的なバスカーヴィルになっています。字間が微妙に狭すぎるのか、やや優雅さに欠けるような気もしますが、かなり活字版に近いのではないでしょうか。1980年に写植用にデザインされたとのこと。現在では OpenType Pro 版も出ています。まだ実際に使う機会は得られていないのですが、一度試してみたいですね。

Baskerville4.jpg

左が Baskerville Book で、右が ITC New Baskerville です。

Baskerville5.jpg

イタリックを比べると違いが際立ちます。 ITC のバージョンは "New" と銘打つだけありますね。新しく創作された書体といっていいのかもしれません。

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