和文フォントの従属欧文のデザインは、たいがい難ありです。キレイな欧文混じりの文を組むためには、欧文フォントを合わせて使います。何と何を混植すればよいか、頭を悩ませるのは楽しいものです。
しかし本当に悩んでしまうこともあります。みなさんリュウミンのLには何を合わせていますか? 和欧混植についてこと細かく解説している工藤強勝氏の著書『デザイン解体新書』でも、リュウミンLには何も触れていなかった記憶があります。
欧文のセリフ書体の場合、細いウェイトまで揃っているフォントは少ないので、リュウミンLと黒みのバランスをとるのは簡単ではありません。ましてやデザイン面での相性を追求しはじめると、至難の業になってしまいます。

上図は従属欧文でそのまま組んだもの。現行の OTF 版の従属欧文は Century 系です。Century Oldstyle は写植時代以来の定番ですが、リュウミンの書風に合っていないような気がします。

書体の雰囲気、デザインだけを考慮するならば、Minion はリュウミンと相性がバッチリです。しかし Minion には細いウェイトがありません。上図では見出し向けウェイトの Minion Display を合わせてみましたが、小さいサイズで使うには息苦しく無理があります。

そこで細いウェイトがあるフォントを使ってみたのが上図です。ヴェネチアン系の Adobe Jenson はゴツゴツした感じがリュウミンとやや異質かもしれません。Warnock は12級ぐらいまでならいいのですが、それ以上のサイズだと個性的なセリフの形状が目立ちすぎるのが欠点。Palatino はデザイン的にはリュウミンより本明朝に合うように思うのですが、黒みの統一感は申し分なし、です。

レギュラーのウェイトでも細身の書体を合わせてみるという手もあります。上図では Bembo と Fournier を試してみました。とくに Fournier は悪くないかもしれません。しかし Fournier はレギュラー以外のウェイトがありません。できることならば、各種ウェイトが揃っている書体を選んで、ほかの太さのリュウミンともシステマチックに合わせたい。
個人的な好みとしては、Palatino nova がいいかなあ、というのが結論です。ただ、太いウェイトになると、Palatino とリュウミンは相性が良いとは言い切れず、ファミリー展開もおさえた和欧混植という野望は果たされず……ああ悩ましい。