2008年10月27日

英文の本文を組む・続き

先日のエントリ「英文の本文を組む」の続編です。2文字で分綴してしまうのは良くないと書いたのですが、はてなブップマークで「なぜ?」とのコメントが寄せられているのを見つけました。ブックマークには返答する必要はないのだとは思いますが、せっかくですからもう少し説明をしたいと思います。

2文字での分綴そのものが悪いと言うつもりはありませんでした。もしそれが普通のハイフネーションのルールだと受け取られた方がいたとしたら、そうではありません。分かりにくい書き方ですみませんでした。

上図は腕の確かなタイポグラファによる活版の本です。ひとつの段落に3ヵ所も2文字での分綴があります。

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2008年10月16日

欧文の本文を組む

外国語の組版は難しいです。何度か英文を組んできましたが、未だに満足いくものができません。だから偉そうなことをいえる立場ではないのですが、自分なりの英文本文組版法・基礎編をここに書いてみることにしました。これまでいろいろ試行錯誤してきた記録です。これから始める方々には一つの例として参考にしていただければ、先輩方にはご批判を仰げればと思います。

(1)
上図はテキストを InDesign CS3J にただ流し込んだものです。フォントは Adobe Caslon Regular で、11/14pt です。恐らく Microsoft Word などでも同じような結果になるでしょう。(画像はクリックすると大きくなります)

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2008年09月28日

MacBookの静音化

これまで2台の MacBook を使ってきて、騒音が気になったことはほとんど皆無でした。けれども、内蔵ハードディスクを500GBのもの(サムスンHM500LI)に換装してみたら、ハードディスクの回転音が気になるようになってしまいました。

それまで使っていたウェスタン・デジタル製250GB(WD250BEVS)の時に比べると、かなり盛大な音が鳴り続けています。サムスン製にしたのがいけなかったのか、それとも2.5インチにプラッタ3枚だと無理があるのか、理由は分かりません。

ただし騒音と言っても、人によっては気にならないかな、というレベルです。自宅ネットワークのサーバにしていて、寝室に置いて常時電源オンにしています(Insomniaを使用)。夜になるとうるさくて気になる、といった程度です。置き場・使い方が悪いといえばそれまでなのですが。

そこで対策。Mac Pro の共振防止にまずまずの効果があった、マイクロソリューション社の「MORE SILENT NOISE DUMPER」を貼ってみました。すると……騒音は満足いくレベルに抑えられているようです。かなり静かになりました。これまで通り安眠できそうです。

この製品、メーカーが言うには「ハードディスクの反基盤面に貼るだけで、振動やそれに関連したノイズを減少させる簡潔な複合素材シート」だそうです。なにやら怪しげな雰囲気なんですが(失礼)、二度試していずれも成功したところをみると、優れた製品だと言わざるを得ません。Amazon.co.jp では420円で買えました。安価ですし、オススメです。

2008年07月19日

タイプバンクゴシックの視覚調整

ゴシック体は「サンセリフ」とイコールではありません。セリフのようなアクセントがついている場合があるからです。例えばモダンな佇まいがする小塚ゴシックにも、しっかりと始筆の打ち込みがついています。

ほんとうに「サンセリフ」なゴシック系の書体としては、AXIS、新ゴ、ロダン、ナウ、シーダ、ヒラギノ角ゴ、平成角ゴシック、などがあります。それらの中でも特にキレイだと個人的に感じるのは、タイプバンクゴシック(TBゴシック)です。

kanjisanselif.gif

TBゴシックはアクセント類が全然ついてないのに、バランスが崩れることは稀ですし、どんな単語を組んでも不自然さを感じさせません。文字のデザインについては全くの素人なので、なぜそうなるのか解らず、不思議に思っていました。そこで、拡大してじっくり眺めてみました。

kanjisanselif2.gif

ご覧ください。視覚調整がものすごく大胆になされています。手元にある似たような書体もいくつか眺めてみましたが、とくに上図の「慮」の例のような調整をしている書体は見当たりませんでした。「助」も思い切った調整がなされています。ここらへんがTBゴシックの秘密の一つなように思います。

2008年06月22日

Baskerville Book ミニ情報

Berthold Baskerville Book Pro のグリフ一覧を見ていたら、おもしろいものを見つけました。括弧類とかダッシュなどの記号は、小文字に揃えてある通常のものだけでなく、大文字用字形も用意されています。大文字用字形といっても、上に若干ベースラインシフトさせただけです。でも、かなり便利そう。

baskerville_coffee.gif

ブラケットは [ { ( ) } ] の3種類がちゃんと揃っています。他にもギュメ2種類、emダッシュ、enダッシュ、ハイフン、天地中央の点、など。

baskerville_c3po.gif

大文字用字形が入っているフォントは多くはないですが、他にもあります。知っている限り挙げると、Cronos Pro、Adobe Jenson Pro、Scala Sans Pro には、Baskerville Book Pro と同じような約物が入っていました。Optima nova も約物のバリエーションが多いフォントです。

2008年05月24日

ライノタイプのフォントを安く買う方法

 Frutiger Serif や Frutiger Condensed Italic、さらには Eurostile Next とか、ライノタイプから要注目の新書体が次々とリリースされるこの頃。でも、あまり手頃な価格とはいえません。少しでも安くライノタイプのフォントを買いたい。

 日本代理店はもちろん、最近ではドイツのライノタイプ・ライブラリから直接購入しても、いろいろ買い集めると高くつきます(と個人的には感じます)。そこで調べてみたところ、ちょっと割安に買える方法を見つけました。ITC のサイトで、ドル建てで買うのです。

 推測ですが、ユーロ建ての価格とドル建て価格は、それぞれ独立してつけられているようです。日本円に換算すると、結構差が出てきます。2008年5月現在、ドイツから買うのに比べると、おおむね3割ぐらい安くなるような感じです。

 もちろん Monotype の Fonts.com でもドル建てで買えますが、たぶん ITC がベストです。ITC にはなぜか、たまに激安価格のものが混じっているのです。本家で買うより7割以上安いセットを見つけました。何かの間違いかな?

 ただし ITC にも欠点が。購入後ダウンロードできるのは一回きりみたいです。これは FontShop でも同じですが、ITC の方が一層心配な感じです。「このダウンロード画面を閉じたらもうダウンロードできないよ」みたいなメッセージを見ると、緊張してしまいます。

2008年05月11日

墨東に合う欧文書体は?

かな書体の「墨東」がとても魅力的に感じます。作者のタイプラボ佐藤豊さんのウェブサイトでは「少し古典的な雰囲気の完成された形は幅広い応用性を持ち、細めのものは格調高い文芸物の本文などに、そして太めのものは、様々な見出し用として最適」と書かれています。

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私はモリサワパスポート版の墨東を使っているのですが、ひとつ大きな欠点があります。従属欧文が雰囲気に合わないのです。そのまま文章を組むと、ちょっとまずい結果になりそうです。


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欧文書体との混植が必須。何が合うか考えてきたのですが、「これかな!?」と合点がいく組み合わせに気づきました。FF Scala Sans です。


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いかがでしょうか。これなら横書きでも存分に墨東を使えるかな?

2008年05月07日

Font Game に挑戦!

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Font Game というウェブサイトをご存じですか? 欧文フォントの名前あてクイズです。場所は http://fontgame.ilovetypography.com/ です。なかなか面白そうです。

34問の4択クイズ形式。下のスクリーンショットのような問題が次々に出てきます。ためしに挑戦してみました。


fontgame2.jpg


直近24時間分だけですが、下図のような Hall of Fame なるものも表示されます。要するにハイスコアのランキングですね。さて結果は……。

平均点は23点とのこと。わたくしめは33点を獲得。3,600人あまりのうち、めでたくトップ20に入れてもらうことができました。ちょっと感動。


fontgame3.jpg


〔追記〕

この記事を書いたあとのお昼休みに再挑戦したら、なんと1位になってしまいました! 自慢させてください。:-)


fontgame4.jpg

2008年04月26日

お気に入りの Baskerville を見つける

バスカーヴィルは金属活字とデジタルフォントの違いが大きい書体です。活字といっても18世紀のオリジナル版のことは良くわからないので、20世紀の Monotype Baskerville (Series 169) のことですが。モノタイプ活字版は最高の書体の一つだと思います。なんとかその雰囲気をデジタルで再現できないでしょうか。いろいろ考えてみました。

バスカーヴィルの特徴としては「コントラストが強い」ことが良く指摘されます。しかしモノタイプ活字版は、DTPでの印刷物に慣れた今日の眼で見ると、それほどコントラストが「強い」ようには見えません。私の主観で表現すると、コントラストが「艶かしい」という感じに見えます。端正なフォルムと、絶妙なコントラストの両立。美しいですね。

Baskerville0.jpg

この写真は1958年にイギリスで印刷された本です。11ポイント活字を行間ベタで組んでいます。

横幅がやや広い。字間が狭い。にも関わらず混み合った印象にはならない。といった特徴があるように思います。単語が塊として眼に飛び込んできます。そしてしっかりとしたセリフの効果か、行の直線的な並びが強調されて見えます(この写真ではわかりにくいですが)。行の中でのアクセントになるのは腰の据わった大文字です。

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モノタイプの現行デジタル版は、ずいぶん印象が違います。かなり細身になっていて、バスカーヴィルの十八番、小文字の「g」なんか、へなへなです。書籍本文に使うことを前提とすれば、活字版とは全くの別物だと考えるべきでしょう。何かの縁で知らないうちに Mac にインストールされていた TrueType の Baskerville はモノタイプ製でした。

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世間で多く使わているのは ITC New Baskerville です。字間が広く、コントラストが一層強調されているのが特徴でしょうか。写植時代を思い起こさせる雰囲気です。これはこれで、悪くありません。でも、デジタル版だと鋭すぎる印刷結果になる場合もあります。あと、このフォントをツメツメにして長い本文を組んで、失敗している本をよく見るんですよね。

他にもバスカーヴィルのデジタル版はたくさんあります。たとえばURWのものは……見本帳を見た限りでは好きになれなそうなので省略。ライノタイプの Baskerville Classico は OpenType 化が待たれます。Fry系のものはデザインがちょっと違うのでここでは対象外。

Baskerville3.jpg

そんななかで一番気に入ったのは、Berthold の Baskerville Book です。あの Mrs Eaves と双璧とも言えるぐらい、肉感的なバスカーヴィルになっています。字間が微妙に狭すぎるのか、やや優雅さに欠けるような気もしますが、かなり活字版に近いのではないでしょうか。1980年に写植用にデザインされたとのこと。現在では OpenType Pro 版も出ています。まだ実際に使う機会は得られていないのですが、一度試してみたいですね。

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左が Baskerville Book で、右が ITC New Baskerville です。

Baskerville5.jpg

イタリックを比べると違いが際立ちます。 ITC のバージョンは "New" と銘打つだけありますね。新しく創作された書体といっていいのかもしれません。

2008年04月21日

プラチナ・コレクション値上げ !?

ライノタイプの Platinum Collection は憧れのフォントです。本文を Palatino nova で組んでみた時、あまりの美しさに感激しました。それ以来、少しまとまった収入になる仕事をした時は、自分へのご褒美と言い訳して買い足していこうと心に決めていました。

最近久しぶりに買い足そうかという機会ができ、ライノタイプのウェブサイトを覗いてみました。日本の代理店ではなく本社のサイトです。あまりに内外価格差が大きかったので、申し訳ないけれど代理店はパスしてきました。

ところが。標題の通り、ものすごい値上げをしているではありませんか。たとえば Linotype Univers の場合、一年ほど前には 1,295USD で入手できたのですが、今では 1,499EUR になっています。今の為替レートでは 80% 以上値が上がった計算になります。他の Platinum Collection のフォントも、どうやら軒並み値上げしたように見受けられます。最近の円高をもってしても、もはや内外価格差はほとんどありません。

その代わりに、Value Pack と称したバラ売りダウンロード販売が始まっていました。当初は「全ウェイト一括・CD-ROMのみ・要署名」でした。だから敷居はかなり低くなったといえるでしょう。でも、ファミリー全部揃えたいという人にとっては、この新価格は痛い……。